北欧のインテリアやライフスタイルが好きな方なら、きっと心惹かれるであろうお菓子があります。
それが「セムラ(Semla)」。
ふわふわのカルダモン風味のパンに、アーモンドペーストと生クリームをたっぷり挟んだ、見た目も味わいもやさしい北欧の伝統菓子です。
今日は、セムラの背景や楽しみ方についてご紹介します。
セムラってどんなお菓子?
セムラはスウェーデンで冬の終わりに食べられる、季節限定の菓子パン。
丸くふくらんだパンの中に、甘くて香ばしいアーモンドペーストと、ふわっと軽いホイップクリームが入っていて、帽子のようにパンの“フタ”がちょこんとのっているのが特徴です。
その姿は、まるで雪帽子をかぶった小さな山のよう。
実はこのお菓子、元々は「脂の火曜日(Fettisdagen)」に食べる特別なもの。キリスト教の行事として、断食期間前に“栄養をたっぷりとる”という意味で親しまれてきました。
セムラの歴史と文化的背景
セムラのルーツは、16世紀ごろまで遡ると言われています。
もともとは「hetvägg(ヘットヴェッグ)」という温かいミルクに浸して食べるスタイルが主流でしたが、19世紀以降、パンに詰め物をした現在のスタイルへと変化していきます。
今ではスウェーデンのみならず、フィンランドやエストニアなど北欧全体に広がり、それぞれ少しずつ異なるスタイルで親しまれています。
北欧の人々にとってセムラは、「冬の終わりに楽しむ、ご褒美スイーツ」。
シンプルだけど手間をかけて丁寧に作る、その姿勢が北欧の暮らしとよく似ているように思います。
セムラは見た目も味もほわっと優しい
セムラの魅力は、なんといってもその見た目と口どけの良さ。
パン生地にはカルダモンが練り込まれ、ほんのりとスパイスが香るのが北欧らしいポイントです。
アーモンドのペーストは甘すぎず、くどくない。
そこにふわっと甘さ控えめのホイップが合わさり、口の中でゆっくりと溶けていきます。
北欧ではこのセムラを、温かいコーヒーや紅茶と一緒に楽しむのが定番。
おうちの中にぬくもりが広がるような、そんなティータイムになります。
セムラに合う、北欧らしい器とコーヒー
このブログで繰り返しおすすめしている、おうちカフェのコツ
ぜひ、このセムラもお気に入りのお皿に乗せて召し上がってください。
例えば、アラビアの「24h Avec」や、グスタフスベリの「ベルサ」シリーズ。
24h Avecの青い模様の上に、セムラを置くと
ーー寒い北欧の冬と雪のような装いに
ベルサにセムラを置く。
ーー冬があけ、緑が出てくるのを待ちわびているような気持ちに。
合わせるコーヒーは、個人的には酸味はちょっと抑えめで、
少しの苦みとナッツのような甘さを感じる中煎りくらいがおすすめです。
また、「hetvägg(ヘットヴェッグ)」にならって、カフェラテと合わせるのもいいですね。
いろんな想像をしながら、文化を感じながら召し上がってみてください。

おわりに:甘い北欧のひとときを
セムラはただのスイーツではなく、北欧の人々が季節の移り変わりを楽しむ「暮らしの中のお楽しみ」です。
忙しい日々の中で、ふっと立ち止まって甘いものを味わう時間を、自分にプレゼントしてみませんか?
最近では冬の時期になると日本のカフェやベーカリーでも見かけることが 増えてきたと思います。
ぜひお気に入りの器と、淹れたてのコーヒーと、そしてセムラ。
おうちでちいさな北欧をあじわってください。
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